取組み

著名人も共感する
コミュニティシアターの取り組みとは

シアタードーナツは、

唯一無二とも言えるコミュニティーシアター。

その取り組みに、多くの映画監督、俳優らが

「想いを届けてくれてありがとう」

と言葉をかけるという。

しかし、コミュニティーシアターとしての

取り組みは簡単に成り立つものではなかったそうです。

シアタードーナツ代表
宮島真一 プロフィール

1973年生まれ。地元コザの街に並ぶ映画館で映画に触れながら少年時代を過ごす。コザのFM局で帯番組のパーソナリティーを務め、2014年から沖縄市コザを紹介するテレビ番組「コザの裏側」のメインMCを担当。2015年にシアタードーナツをOPEN。沖縄市ちゃんぷるー観光大使。
苦労の連続だったオープン時

「沖縄県産の映画を多くの方に観てもらいたい!」「沖縄市コザの街に、シアターを復活させたい!」そんな想いで2015年にオープンさせたシアタードーナツですが、オープン時は苦労の連続。「県産映画を上映する」というコンセプトで始めたものの、そもそも通常の映画館とは違う、20席ほどのカフェシアターというスタイルを認知させないといけないため、県産映画だけではなく、国内外の映画も上映する事になりました。

徐々にお客さまも足を運んでくれるようになったそうですが、広告費をかけた大型作品を上映する映画館とは違い、PRや集客にも限界があります。

きっかけとなった映画の上映

そんな中、運営1年目の後半にコミュニティーシアターに至るきっかけとなった映画の上映がありました。大阪の在日朝鮮高等学校のクラブ活動を描いたドキュメンタリー映画「60万回のトライ」です。

琉球大学の先生の勧めで上映を行うことになったのですが、その先生自身「誰に観てもらいたいのか」が明確になっていたそうです。それは、コザ高校のラグビー部、コザ高校の父兄、県内のスポーツ関係者…

また、本作の映画監督や、作中の部活の監督らもシアタードーナツでトークや懇親会を行っていただき、上映期間中は多くの方に映画を観ていただいたそうです。この上映を機に、宮島さんは「誰に映画を観てもらいたいのか!」という事が大事で、その観点から映画を選んでいくようになったそうです。

誰に映画を観てもらいたいか!

「観てもらいたい人がいる映画を上映する」と言うのは簡単ですが、どんな基準で上映作品を選んでいるのかをお聞きすると、シアターのチラシを配布しに行く沖縄市役所の各課の窓口を観ながら映画をイメージしているとのこと。

社会福祉課や、建設課、観光振興課等…、確かに市役所は社会の縮図。その各課の課題解決やビジョン提供につながる映画を探していくそうです。

そして、「60万回のトライ」で行ったように、映画に携わった方々の声も届けるという取り組みも必要です。その後の上映では、映画関係者に登壇していただくイベントの開催や、宮島さん自身が映画の前後にトークをし、映画の想いをお客さまに伝える取り組みを行っています。

繋がりを生むシアタードーナツ

そうやってコミュニティーシアターが形作られ、シアタードーナツには、妻夫木聡さん、長澤まさみさん、井浦新さん、片桐はいりさんなど、多くの著名人が登壇し、お客さまとの交流を行っていただくようになりました。

シアタードーナツは、単に消費される上映ではなく、観客と作品と制作者を繋げるシアター。そこに作り手も観る者も魅了されています。